会計参与は今~事例と共に~(最終回)
会計参与は企業の実態に即した
正確な決算書を作成することはもちろん、
その正しい計算書を “使って” 経営に関わるようになっています。
注目すべきは、それを可能にしている制度的な仕組みです。
会計参与は企業の実態に即した
正確な決算書を作成することはもちろん、
その正しい計算書を “使って” 経営に関わるようになっています。
注目すべきは、それを可能にしている制度的な仕組みです。
以上見てきたように、
会計参与に就任して
◆来期以降の経営効率の見通しについて意見を求められる
(←経営計画の活用)
◆毎月の取締役会で意見を求められる
(←役員として)
◆月次の決算に基づいて意見を求められる
(←会計の専門家として)
などといった事例が目立ってきています。
経営数値に基づく経営管理面についても
会計参与の関与する職域として
認知されつつあると言えます。
その他、2社の実例を端的にご紹介します。
指導力がほしい
不動産賃貸を手がけるP社(東京・品川)の社長は、
「新規事業の展開を視野に入れて、
取引先や金融機関への信用度を考えた」とのことで
ベテランの税理士を招聘しました。
「指導力のある会計参与が会社と一緒に
決算書を作成してくれるなら」と期待がかかります。
今回は、地方都市に50年以上の歴史を誇る
名門建設関連メーカーに就任した事例です。
E税理士は、長年の顧問先から会計参与就任に適合する企業を選び、
社長に打診したところ、二つ返事で契約成立。
ここまでは多くの事例と同様ながら、その後が重要でした。
就任した途端、役員であるため取締役会への出席を求められ、
「売掛金の管理方法を取締役に教育してほしい」との
要請を受けました。
売上げが伸びたものの、それ以上に売掛金が増えて困っていると
いうのです。
ベンチャー企業の会計参与となったD税理士は
実際に就任するに当たっては、
・会社にどれだけの動機づけがあるか?(ex.株式上場)
・修正に応じる姿勢があるか?
・お互いに信頼できるか?
この3点が重要だと言います。
さて今回は、株式上場を目指すベンチャー企業の
監査役を務めていたD税理士の例です。
D氏は、会計参与制度ができるとすぐ、
就任することの戦略的優位性を実感したそうです。
この企業は平成13年設立、情報システム開発を行っています。
資本金5千万円で従業員は20数名。
C税理士を会計参与に迎えた社長は、
「第三者に社内の機関として機能してもらうことに意義を感じた」
と語っています。
「社内ばかりでは考えが固定されてしまう。
C先生は税務・会計・会社法などの法律関係から
業績管理の手法まで幅広くアドバイスしてくださる。
相談相手がいることはすごく心強い」
今回は、民事再生法の適用を受けた公共工事メインの企業から
会計参与就任の要請を受けたC税理士の事例をご紹介します。
この会社は、上場企業であった親会社の破綻により
連鎖的に破綻しました。
親会社からの受注が7割、公共工事の受注が2割なので
親会社依存分の売上げ減少が響いたわけです。
再生途上で就任した新社長は
残された公共工事部門の特定の事業領域に絞り込み、
会社を再出発させました。
B税理士はいざ会計参与に就任したものの、
何をどう進めるか、どんな書類をつくるのか、
参考資料が無く思案したと言います。
そんな時に「会計参与支援センター」を知って即入会。
毎月の研修・研究会やシンポジウムで
業務の知識を習得しました。
支援センターの実務的書類や資料・フォーム集が
初めての「会計参与報告」「会計参与契約書」等の
作成に役立ったとのこと。
経営に前向きな40代社長が率いる老舗の
会計参与に就任したのはB税理士です。
その会社は、従来から株主総会・決算公告を行い、
交際費は年間百万円以下と無駄な支出をせず、
配当率も最低10%を維持。
役員車は会社所有ではなく、それぞれ自前。
この姿勢で72年間続いています。
会計参与に就任したA税理士は
月次業績管理の励行と共に、
社長との信頼関係の構築に留意していると言います。
信頼関係が築けない関与先とは、たとえ業績が良くても
契約を交わしてはいけない、という信念。
社長との緊密なコミュニケーションは不可欠なのです。
今回から、実際に会計参与に就任した例をご紹介します。
A税理士は、顧問に就いている会社の要請を受けました。
その会社は都市銀行から、会計参与設置会社にすることを条件に
継続して融資すると言われたのです。
数10名の社員を抱え、2つの子会社(社員各10名)を保有。
アメリカ、イギリス、ブラジルなど8ヶ国と取引がある会社です。
社長は経営に対して非常に積極的な姿勢を持っています。
A氏は振り返ります。
長年、財務顧問として信頼関係がある顧問先から
会計参与の就任を依頼されたある会計人は言います。
「会社からは、これまでは税金に関することしか
相談されたことはなかった。
しかし会計参与になった途端、相談内容が変わった」
(終了しました)
中小企業の経営改革に、“まったく新しい視点”から取組んでいる事例が増えています。
この新しい経営改革が現場でどのように進められているのか、実態を紹介するシンポジウムを開催することになりました。ご関心のある方は、是非お越しください。
会計参与の行動指針が改正されました。
→ 日税連HP 「会計参与の行動指針(本文)」
前回、会計参与の実務について触れました。
今回はその実務、特に「計算書類作成」がもたらす
波及効果を見ていきます。
会計参与は、いわゆる決算書を
中小企業の会計指針に基づいて作成します。
つまりそれは、企業の実態を表した数字になっている、と
会社法が太鼓判を押した適法な決算書だと言えます。
今回は、会計参与の実務についてお伝えします。
計算書類の作成
「中小企業の会計に関する指針」に則って
計算書類を作成するのが
会計参与の第一の職域(会社法374)です。
経営者によっては
「職業的会計人だったら、計算書類を作成できて当然。
ましてや、会計参与なら尚更」
と、この職域をあまり高く評価しないようです。
(1)では、会計参与制度の現状についてご説明しました。
今回は企業側に目を転じます。
現在、中小企業では会計をめぐって深刻な問題が生じていて
これを直視することなしに、会計参与制度に関する理解を
深めることはできないのです。
中小企業は一般的に、いわゆる税法ベースで決算書を作成しています。
税金の申告に限って言えば、この方法に問題はありません。
また、同族経営などで利害関係者があまり存在しない場合も
同様かもしれません。
新会社法により会計参与制度が導入されて4年が経ちました。
当初は、世界に類を見ない制度なので
・実務の参考になる事例がなく、学説等も定着していない
・判例等も示されていない
・実務のサポート体制がない
といった点から「様子見」に回り、
敏感に反応しない会計人が多かったようです。
他方、スタート時から積極的に行動した会計人もいました。
会計参与制度の持つ意義に共鳴して
実際に会計参与に就任。
多様な経験や事例を積み重ねて今に至っています。
税務弘報(中央経済社)2010年7月号に、会計参与に就任している実際の事例を分析した研究論考が掲載されました。
制度研究として会計参与の実態を事例で紹介
会計参与制度が導入されて4年が過ぎました。この間、様々な事例が積み重ねられてきています。
その結果、実に興味深い変化が「経営の現場」で起こり始めています。
何が変わったのか、そうした会計参与就任会社の特徴などを次の6つの視点から分析しています。
多くの中小企業が厳しい経営状態に陥っている中、
中小企業の本来の活力を取り戻し、グローバル社会での成長を実現することをめざして
広範囲な参加者によるシンポジウムが、今年も8月に開催されることになりました。